タバコはよく「百害あって一利なし」と言われおり、
タバコは肺がんのリスクを上昇させるなど、タバコが体に害を及ぼすということは、すでに広く知られています。
しかし、「タバコをやめても害を及ぼしてくる」という研究もたくさんあります。
今回は「タバコをやめても体に害を及ぼす」と主張する研究やその対策をまとめた論文(1)ついてご紹介したいと思います。
1. タバコをやめても体に害を及ぼす?
①喫煙による病気のリスク
タバコの健康への害は広く知られていると思うので、
ここではさらっとおさらい程度にお伝えします。
タバコは
・肥満
・糖尿病
・高血圧
・心肺の病気
のリスクを上げることが数々の論文で分かっています。
・肥満
・糖尿病
・高血圧
・心肺の病気
のリスクを上げることが数々の論文で分かっています。
今回はこの中でも、
「肥満リスクに関してはタバコをやめてもあまり変化がなく、むしろ悪化するんじゃないか?」という点についてお伝えします。
「肥満リスクに関してはタバコをやめてもあまり変化がなく、むしろ悪化するんじゃないか?」という点についてお伝えします。
②タバコと肥満のコスト
数々のデータから、肥満や喫煙によって余分な出費(医療費)がかかることがわかっています。
例えば、
肥満の人はそうでない人に比べ、年間1360ドル(約15万円)ほど多く医療費がかかっていたり、
喫煙者はそうでない人に比べて、年間1046ドル(約11万円)ほど多く医療費がかかっているというデータがあったりします(1)。
肥満になることで様々な病気のリスクが上昇することが確認されているので、
医療費の負担が増えるのも納得がいきますね。
③タバコと体重増加の研究
2015年に出た禁煙と体重の増加を調べた研究のレビュー論文(3)では、
禁煙をした人と喫煙し続けた人の間で体重増加の量に大きな違いが見られました。
この論文では35もの研究が査定され、
合計63,403人の禁煙者と388,432人の喫煙者の体重の変化の違いが調べられました。
結果として、
- 禁煙者は禁煙後5年間の間に平均で4.10㎏の体重増加
- 喫煙者は平均で1.5㎏の体重増加
していたことが確認されました。
つまり、禁煙をしたグループと喫煙を続けたグループの間に2.6㎏もの体重の増加量の違いが見られたということになります。
もう少し差が大きいデータ(4)だと
- 禁煙に成功した人は8年後に平均で8.79㎏もの体重増加
- 喫煙者は平均で2.24㎏の体重増加
が確認されており、体重増加の差は6.55㎏にも及びます。
④禁煙で体重が増加する理由
禁煙者の体重が増える傾向にある理由は、
の2つが挙げられます。
まぁ俗にいう肥満の原因そのものです。
ですが、これらに関わってくるのがタバコに含まれるニコチンの効果が切れることによるものです。
最も典型的なのは、
ニコチンが切れたことを食べ物で補おうとし、カロリー摂取量が増えてしまうことが挙げられます。
ニコチンが依存性のある物質ということは広く知られており、
ニコチンが得られないことでイライラしたり、脳はニコチンに変わる何か刺激的なモノを欲するようになるので、一番簡単に欲求を満たせる食べ物に手を出してしまうというわけです。
また、仮にカロリー摂取量が変わらなくても砂糖からとるカロリー量が増えるというデータ(5)もあり、
また、禁煙すると甘いものを好むようになることも体重増加の要因となっています。
- 食べる量・カロリー摂取量の増加
- 運動量・カロリーの消費量の低下
の2つが挙げられます。
まぁ俗にいう肥満の原因そのものです。
ですが、これらに関わってくるのがタバコに含まれるニコチンの効果が切れることによるものです。
最も典型的なのは、
ニコチンが切れたことを食べ物で補おうとし、カロリー摂取量が増えてしまうことが挙げられます。
ニコチンが依存性のある物質ということは広く知られており、
ニコチンが得られないことでイライラしたり、脳はニコチンに変わる何か刺激的なモノを欲するようになるので、一番簡単に欲求を満たせる食べ物に手を出してしまうというわけです。
また、仮にカロリー摂取量が変わらなくても砂糖からとるカロリー量が増えるというデータ(5)もあり、
また、禁煙すると甘いものを好むようになることも体重増加の要因となっています。
他の記事でも話しましたが、砂糖は脳への刺激が強くニコチンの対価物としてはもってこいなんですね。
さらに、砂糖が体重増加につながることも分かっているので、砂糖の体への影響に興味のある方は是非以下の記事もご覧ください。
さらに、脳の神経学的(6)にも、食べ物への依存とタバコ依存は脳への報酬回路が似ているため、ニコチンの代わりに食べ物で脳への報酬を確保しようとするため、食べ物の摂取が多くなってしまうとのことです。
タバコを止めることによるカロリー消費量に関しては、
禁煙が人の代謝機能に影響を与えたり与えなかったりと様々な意見があるとのことです(1)。
まぁ結局はタバコを止めることにより、
ニコチン依存を食べ物依存に置き換えるため体重が増加してしまうといったことが禁煙後の体重増加の主な理由かと思われます。
⑤禁煙後の体重増加の対策
このレビュー論文(1)はしっかりと対策の効果についてもまとめてくれているので、
禁煙による体重増加対策についても簡単にご説明したいと思います。
この論文では
・自分のボディーイメージを変えるアプローチ
・禁煙についての教育するアプローチ
・カロリー制限アプローチ
・運動量を増やすアプローチ
・薬を使ったアプローチ
などの対策がレビューされていました。
これらの中で、運動量を増やしたアプローチ以外は、
体重増加の抑制効果があまり見られなかったり、見られたとしても短期間的であったりとあまり効果が見られませんでした。
一方で運動量を増やしたアプローチは、
運動量を増やしていないグループに比べ
1年後も禁煙を続けている割合が高く、
また、体重増加の増加量もかなり減っていたそうです(7)。
まぁ運動それ自体が体重のコントロールや心理的幸福度の上昇にもつながるということは周知の事実かと思いますが、しっかりとデータとしても示されています(1)。
なので最も効果的な禁煙後の体重増加の対策として運動量を増やすことがいいと思われます。
また、運動習慣を身に着けることは、
禁煙の長続きや体重増加抑制以外にも様々な心理的・身体的メリットがあるので、
禁煙を理由に運動習慣を身につけましょう。
2. まとめ
今回は、「タバコをやめても体に害を及ぼす」という研究についてお伝えしました。
特に禁煙と体重増加の関係に絞って解説しました。
禁煙による体重増加が理由で禁煙をためらうといった人も多数存在しているようですが、
運動量を増やすことによって体重の増加を抑制できますし、
なにせ喫煙の病気リスクを考えると今すぐにでもやめた方が良いという結論になってしまいます。
また「もう禁煙するには遅い」と考えられている方もいるかもしれません。
しかし、
禁煙のタイミングに遅すぎるということは全くなく、
禁煙24時間後には心臓発作を起こす可能性が低下したり、
2週間~3か月で心臓や血管などの循環機能の改善が見られたりすることがわかっています(8)。
そして10~~15年後には喫煙していない人とほぼ同じレベルまで病気のリスクが下がると言われています(8)。
今回、禁煙推進派みたいな記事になってしまいましたが、
私はみなさんに禁煙しろというつもりはありません。
タバコを吸うも吸わないのも個人の勝手です。
ですが、もしこの記事をお読みになって禁煙にチャレンジしてみようかなと感じられた方がいれば幸いです。
その際は、ぜひこの記事で述べたように体重の増加のリスクへの対策をしっかりと摂っていただきたいと思います。
現在タバコを吸われていない方は、そのまま非喫煙者でいてもらいたいと思います。
ま、全ては個人の価値観なので、僕には何の権限もありませんが、
タバコを吸っても止めてもリスクがあるということをお伝えしたく今回の記事を作成いたしました。
お読みいただきありがとうございます。
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