Friday 19 July 2019

【ホリエモン激怒】共産党が猛反対するHPVワクチンについてまとめてみた






本日Twitterにてホリエモンが共産党に対し激怒していました。






今回のことの発端は、7月18日に発表された「一般社団法人予防医療普及協会」による参院選候補者を対象にした現在中止されている「HPVワクチン積極的勧奨」の賛否を問うたアンケートの結果とされます。


アンケートの結果は、

共産党のうち32人が回答し全員が「再開すべきではない」と投票していました。



このような結果を受け、ホリエモンは共産党に対し激昂し、上記のようなツイートをしたと考えられます。
※上記のツイートはほんの一部です。



では、このHPVワクチンとは一体何なのでしょう?


今回はHPVワクチンの効果や副作用、日本の現状などを含め、今回話題となったHPVワクチンについてお伝えしたいと思います。



1. 共産党が猛反対するHPVワクチンとは?


①HPVワクチンとは



「HPV」とはヒトパピローマウイルス (Human papillomavirus)のことで、

子宮頸がんの多くはこのウイルスへの感染が原因とされています。


またその主な感染源は性的接触であるとされます。


これだけ聞くとHIVなどのような恐ろしいウイルスのように感じますが、

実はHPVはごくありふれたウイルスで、

性交渉の経験のある女性の50~80%が生涯で一度は感染機会があると言われており、


HPVに感染しても多くの人は病気を発症することはありません



しかし、

HPVに感染し、がんを発症している人が検診を受けても「陽性」と判断される割合が50~70%となっており、がんを発症していても「異常なし」と判断されてしまう危険性があります


そこで、HPVへの感染自体を予防し子宮頸がんを発生させないようにするためにHPVワクチンが使用されます。



また、HPVの中でもHPV16型と18型は子宮頸がんの大部分(65%)の原因とされており、

さらに、20歳代の子宮頸がんの90%、30歳代の75%にHPV16型・18型が見つかっています(1)。


そして、これらHPV16型・18型への感染はHPVワクチンで予防することができます







②日本における子宮頸がんの罹患率と死亡者数


日本では年間約1万人が子宮頸がんにかかり、約2,900人が死亡しています。

また、子宮頸がんの患者数や死亡者数は年々増加傾向にあり、

20代半ば~40代半ばの若い世代の女性の間で罹患率が急増しています


出典:日本産婦人科学会



出典:日本産婦人科学会









③HPV感染から子宮頸がん発症まで


先ほども述べたようにHPVに感染しても子宮頸がんを発症しないこともありますが、

時にHPVが長きにわたり体内に滞在し、子宮頸がんを発症してしまうケースがあります。



HPV感染からがんを発症するまでには段階があり、

HVP感染 → CIN1 → CIN2 → CIN3 → 子宮頸がん発症

となります。


出典:日本産婦人科学会

※「子宮頸部上皮内腫瘍」のことを「CIN (Cervical Intraepithelial Neoplasia)」と呼びます。







~HPVの自然消退と進行~



CIN1~2の段階においては2年以内に50~75%の確率でHVPが自然消退しますが、

CIN3になると2年以内の自然消退の確率が19%まで落ちます。



一方、5年以内にCIN1からCIN3へと進展する確率は5~14%

5年以内のCIN2からCIN3への進展確率は17~26%となっています。



そして、CIN3の状態から2年以内にがんを発症する確率は30%と高くなっています



出典:日本産婦人科学会雑誌



こういったことから、HPVへの感染自体を予防しようとワクチンの接種が勧められていたわけですが、現在は中止されています。



ちなみにですが、世界各国でHPV感染治療のタイミングは異なり、

日本では原則CIN3以上で治療が開始されます。








④HVPワクチンの効果は?


世界でHPVワクチンを国のプログラムとして早期に取り入れたイギリスやアメリカなどの国々ではHPVへの感染やがんの発症が有意に低下していることが報告されいます。


2019年6月に権威的な医学雑誌ランセット(the Lancet)に掲載されたレビュー論文(2)でも、HPVワクチンの有効性がはっきりと示されています。


このレビュー論文では計65の先進国を対象とした研究が含まれ、

合計6,000万人を最大で8年間追跡したデータが分析されています。


特にHPVワクチンによるHPV感染率の低下が著しく、

ワクチン接種後5~8年で子宮頸がんの主要な原因であるHPV16型・18型に感染している割合が
  • 13~19歳の女子の間で83%低下
  • 20~24歳の女性の間で66%低下




また、国内でも研究が進んでおり、HPVワクチン接種者の間でHPV感染率の低下が示されています。

例えば、

NIIGATA STUDYの研究報告では、

20~22歳の女性の間でのHPV16型・18型の感染率が、
ワクチンを接種していない人では2.2%であったのに対し、
ワクチンを接種した人では0.09%と大きな差が見られました(3)。





このような結果から、HPVワクチンによって子宮頸がんの主な原因であるHPVへの感染を防ぐことができ、HPVワクチンは子宮頸がんの予防に大いに期待できると思われます







④HPVワクチンの副作用は?



2017年に行われた世界保健機構(WHO)の世界各国のデータ解析(4)によって

HPVワクチンは極めて安全であるという結論に至っています


このレポート(4)によると世界各国の大規模な疫学調査において、
HPVワクチン接種者と非接種者の間での重篤な有害事象の発生率の有意な違いは見つかっていないとしています。


とはいうものの、HPVワクチンは筋肉注射であるため、

9割以上の人にワクチン注射後の注射部の一時的な痛みが、

8割程度の人に注射部位の一時的な発赤や腫れが見られるとのことです(1)。





また、イギリスの国民健康保険サービス(5)によると、

HPVワクチンの副作用として、

1/10人の割合で、注射部の腫れや赤身、一時的な頭痛などを感じ

1/100<1/10の割合(1~10%)で、注射部のかゆみや体温上昇、風邪気味の症状がみられる。

また、<1/1,000人(0.1%)の割合で蕁麻疹を発症する可能性があり、

<1/10,000人(0.01%)の割合で呼吸困難を発症する恐れがあるとしています。



これらのことから、HPVワクチンによって重篤な症状を発症する可能性は極めて低いと考えられます。




また、万が一HPVワクチンによって重篤な有害事象に見舞われた場合でも、

予防接種法に基づく救済制度の申請は可能で、因果 関係の有無などの審査の後、必要な補償が受けられる可能性があります。(1





⑤日本でのHPVワクチンの経緯と現状


日本では平成22年度からHPVワクチンへの公費助成が開始され、平成25年4月から予防接種法に基づき、HPVワクチンが定期接種化されました。


しかし、ワクチン接種後の慢性疼痛や運動障害など多様な症状が報告され、平成25年6月からHPVワクチン接種の積極的勧奨が中止されています


HPVワクチンの積極的勧奨は現在も再開されておらず、

そういったことから平成12年度以降生まれの女子の間での接種率が大幅に減少しており、平成14年度以降生まれの女子の間では1%未満となっています(1)。
※平成6~11年生まれの女子のHPVワクチン接種率は70%程度


出典:日本産婦人科学会



また、ワクチンには既にHPVに感染している細胞を取り除く効果は無いため、

HPVワクチンは初めて性交渉を経験する前に接種することが最も有効とされており、

若い年代での接種率の低下はHPV感染へのリスクを大幅に上昇させてしまいます



出典:日本産婦人科学会



7/20追記


HPVワクチンの妊娠や出産に関する副作用についての質問をいただいたので調べてみましたが、

妊娠や出産についても、HPVワクチンとの因果関係が明らかな異常の報告はされていないとのこと(1)。


また、2016年のレビュー論文(6)でも、

HPVワクチンの接種と妊娠への有害な影響の関係を示す証拠はないと結論付けています。



反対に、子宮頸がんにかかり妊娠できなくなる、また前がん病変時やがんの早期発見によって子宮頸部円錐切除術による子宮温存をした場合でも、早産のリスクを早めたり、子宮の入り口が細くなったり閉じたりしてしまう可能性などの手術後のリスクを伴い、妊娠や出産に悪影響を及ぼしてしまいます。

つまり、HPVワクチンを接種しないことによるHPV感染からがんに発展してしまう方が妊娠や出産に支障をきたすリスクが高いということになります。


したがって、日本産婦人科学会は「子宮頸がんになる前に発見し手術して取り除けば大丈夫」という安易な考えは危険であるとし、実際に年間9,000人以上の若い女性が子宮頸部円錐切除術を受けていることをあげ、警鐘を鳴らしています。


追記終わり。




2. まとめ


今回はホリエモンが激怒した共産党によるHPVワクチン反対を機に、

HPVワクチンとはなにかについてお伝えしました。


私自身も今回のホリエモンの激怒を目にするまでは「HPVワクチン」についてほとんど知りませんでしたが、調べてみると非常に重要なことであることに気づき、皆さんにお伝えしたいとおもい今回の記事を作成しました。


私が現在いるイギリスでは、HPVワクチンの接種が学校で義務化されており、

接種を拒否しない限りワクチンを受けることになっているそうです。



今回の記事を通じてHPVワクチンの効果と副作用を考えたうえで、

HPVワクチンは非常に重要であり、今すぐにでも再開するべきだと感じます。



年間で3,000近くの方が子宮頸がんで亡くなっており、そういった方々をワクチンの摂取により救えるかもしれないということを考えると、ホリエモンが熱くなることは理解できますね。



お読みいただきありがとうございました。




今回の記事は主に「日本産婦人科学会のウェブサイト」と「日本産婦人科学会のレポート」に基づいて作成しました。


ブログをこちらに移行しました。



2 comments:

  1. 簡潔にまとめられていて見事と思いました。これだけ明白なのですから、副反応に惑わされて反対する意味不明な人たちがいるのは仕方ないとして、大多数の人は目を覚まして欲しいです。

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